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『資源の無駄遣い』

2011.07.27 15:57  今日の一言

スタジオに持ち込まれるマルチトラックデータでよくあるのが
完全にモノラル音源なのになぜかステレオファイルってヤツ。
これって実はものすごくムダが多いんです。

どこら辺がムダかというと
・容量が倍になるので
 ファイル送信、書き出しや読み込み、バックアップなどに時間がかかる
・読み込むファイルが増えるのでHDD負荷が増える
・メモリを余計に消費する
・ProToolsだとVoice(同時発音数)を消費する
・CPUベースのDAWだとCPU負荷が増える
・プラグイン挿すとCPU負荷はさらに増加
・レイテンシーも大きくなる(かも)
・以上のことで動きが悪くなるので速いCPU、大量のメモリが要る
・ので電気を食う
・PANが振りにくくなる
・ステレオかモノラルかを判断するのに
 トラックをソロで通しでチェックする時間が必要
などなど。

メリットとしては
・データの片chが死んでももう片方が使えるかも
 (現実的にはほとんどなし)

といった具合です。
ぶっちゃけ、害しかありません。


もうひとつ、
モノラルファイルの音が小さいから
同じ時間軸上の他のトラックにコピーして
PANを左右に振って出す
という入門者が陥りやすいワナがあります。

モノラル=左右から同じ信号が同量出る
なので、これも全く意味がないどころか害しかありません。
ProToolsだとリージョンをコピーしてもファイル容量は変わりませんが
プラグインをかけるとプラグイン負荷は当然増えますし
Voiceも消費します。

デジタル録音はレベルの上限が決まっているので
フルビット入ってるのに音が小さいと思うときは
小さい方に合わせて大きい方を下げましょう。


ProTools LEユーザーなんかは特に注意したほうが良いでしょう。
無駄なステレオファイルをモノラルにするだけで
ちょっとは快適に作業できるようになるかもしれません。
ギリギリの作業の際にこの差は本当に効いてきます。


HDDとかメモリの空き、CPUの空きなんかは
「システムリソース」
と言って限りある立派な資源です。
無駄遣いは出来るだけ避けたいところです。

Einsteiner
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『ダブのミックスのコツ』

2011.03.03 02:54  今日の一言

スペシャル(以下[ダブ]と略)のミックスって皆さん軽く考えてませんか?

サウンドマンのDAW所有率が高くなって
[ダブ]のミックスを自分たちでやってしまおうという御時世の中、
ステレオのマルチデータでもせいぜい6トラック程度、
L<>Rデータなら2トラックのミックスというこの作業。
コレが実に奥深く、コレが上手く出来ないとマルチトラックのミックスなんて遥か彼方です。


そこで以前、Twitterでつぶやいた[ダブ]のミックスのコツについて
まとめとしてコチラにも書いておきます。


まず、[ダブ]のミックスでは
ヴォーカルの存在感をいかにして出すかが重要になります。
リリックが聞き取れないようではせっかくの[ダブ]が台無しです。

[ダブ]のミックスするにあたって、まずヴォーカルをしっかりした音にします。
録り音がちゃんとしてればほとんどする事はありません。
しっかりした音で録りましょう。
処理で注意すべき点としては
コンプをかけすぎると詰まった抜けない音に、EQをかけすぎるとピッチ感がなくなります。

次にオケですが
オケは積極的にEQしたほうが良いと思いますが
必要の無いEQは必要無いです。
よくあるんですが、
マスタリングされた市販CDのオケにヴォーカルを馴染ませるのはかなり困難です。
そういった場合にはEQでダイナミックレンジを拡大するとヴォーカルがグンと馴染みやすくなります。
低域の処理には細心の注意が必要です。
間違っても締まりの無いブワブワした低域にならない様に気をつけましょう。

オケのEQについてもう一つ
当たり前ですが、中域を減らすとヴォーカルが入りやすくなります。
やりすぎてスネアが遠くなったりシンセの空間が狭くなったりしない様に注意が必要です。

L<>Rデータでオケがモノラルの場合、
通常ステレオのオケを単純に左右を足してモノラルにしている事がほとんどなんで、
オケにフィルターをかけたような音になっているものが多く
ハイ落ちしているのが多いのもそのせいで、まぁまぁ厄介です。
EQ等で補正しましょう。


といったかんじで、音質的にはヴォーカルとオケが出来上がり。
ですが、まだまだやる事はいっぱいあります。


ヴォーカルとオケの空間的な距離感に注意しましょう。
この辺りは各EQでかなり変わってくるんでイイかんじに調整しましょう。
中低域の処理で距離感はガラッと変わります。

イイかんじになってきたら空間系エフェクタを使います。
ヴォーカルにはディレイ・リバーブをかける事が多いですが、
[ダブ]の場合はディレイで空間を作る事がほとんどです。
個人的にはレゲェヴォーカルにリバーブはあまり合わない気がします。

ヴォーカルの距離を後ろに下げたい場合、安易にリバーブに頼らないこと。
リバーブではぼやけるだけで後ろには下がりません。
ダブルトラックなんかには特に注意が必要です。

空間系の中でディレイの占める割合が多くなるので
ディレイは絶妙に調整します。
プラグインの場合は空間系エフェクタの前後に
EQをかけてやると浮きにくく出来ます。


そして最も重要なことが時間軸に沿ったレベル調整です。
パンチポイントなんかには特に注意が必要ですが、そこは録音時にやっておくべき作業です。
フェーダ操作ひとつでヴォーカルに表情をつけることが出来ます。
フェーダに気持ちを乗せるかんじでいきましょう。

YARD STUDIOでは卓でリアルタイムでミックスしたものを録ってますが、
PCベースの場合はオートメーションで対応出来ます。
ヴォーカルは絶対、オケ・エフェクトは状況に応じてフェーダ操作します。
これだけで出来上がりに歴然とした差が出ます。


これで出来上がりですが最後に、

トータルコンプをかけるなら最初からかけながら作業しましょう。
ミックスが終わってからトータルコンプをかけると印象が変わることがほとんどです。
作業を進めながらコンプも調整していくかんじがイイと思います。
最初の設定はプリセットでも自分好みの設定でもなんでも良いです。

コンプはかける(通す)というよりも積極的に当てにいくかんじの方がやりやすいと思います。
コンプを使ってレベルを均すんではなくて、
コンプを使って積極的にカッコよくするイメージです。
アタック・リリースの調整でグルーヴが変わります。
先に書いたフェーダ操作によって
「トータルコンプの当て方」を変えることが出来ます。
コレが案外肝かもしれません。


そして何よりのコツは
「現場でどう鳴るか」をイメージしてミックスする
ことです。
現場でカッコよく鳴る音に仕上げましょう。


YARD STUDIOでは[ダブ]のミックスだけもやっております。
興味ある方はお気軽にどうぞ。

Einsteiner

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『セレクターがすべきこと』

2011.01.18 02:22  今日の一言

下の写真は一般的なDJミキサーの主要部分です。

01010011.jpg

まずPHONOとLINEの切り替えスイッチがあり、
ツマミは上から
TRIM、EQのHI・MID・LO、
それにチャンネルフェーダ、クロスフェーダ、マスターフェーダ
という構成になっています。(CUEは無視します)
非常に一般的な構成です。

マスターアウトから出力される信号は
上に書いた順番で各回路を通って行きます。


と、若干「エレキ堂」的な事を書きましたが
実はそんなことはどうでもよくて、

「なぜDJミキサーはこのような構成になっているのか?」
について考えてみましょう。


曲をつなぐだけならクロスフェーダだけで可能です。
それにチャンネルフェーダが加わると「音量調整」が出来るようになります。
さらにEQが加わると「音質調整」が出来るようになります。
TRIMは入力される信号のレベルを適正に保つ為にあります。
TRIMについてはまた後日。

極端な話し、クロスフェーダだけでいいDJミキサーに
なぜEQとチャンネルフェーダが付いているのかというと、
それは
「DJミキサーを操作する人が音質・音量を調整出来るように」
わざわざ付けてくれているのです。
もっとわかりやすく言うと
「セレクターがイイかんじと思う音でプレイしてね」
ということです。


現場でPAエンジニアをしていて、
「上手いセレクターは一貫して自分の音を持っていて聴いてて違和感がないけど
 そうでないセレクターは音質も音量もバラバラでエンジニアしてて大変!」
と思うことがよくあります。
実際、DJミキサーから送られてくる音がハチャメチャということが
現場では頻繁にあります。

PAエンジニア的立場から言うと
「DJミキサーから出るところまではセレクターの責任」
なのです。
PAエンジニアは
セレクターが意図した音なのかそうでないのかは判断出来ません。
自分の音は自分で作りましょう。
その為には出音をしっかり聴くことが必須です。

ステキな音でプレイするとフロアにいるお客さんの身体も自然と動きます。
出音をちゃんと聴いてお客さんの反応を見てプレイする。
それが
「セレクターに課せられた責任」
だと思います。

皆で良い現場を作り盛り上げていきましょう!

Einsteiner

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『躍動』

2011.01.04 21:43  今日の一言


みなさん新年おめでとうございます。

2011 激動から躍動する事を志し、日々楽しむことも忘れべからず。

どうぞ今年もよろしくお願い致します。

DOO

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『45Vinyl x 4Tune ★Release』

2010.11.29 11:57  今日の一言

まもなく師走の12月!

遅れていた45Vinyl X 4Tuneもやっと入荷!

今年はホント早かったな。

新レーベル活動もスタートしJAH WORKS MUZIKから合計6曲リリース。

Vinyl PlannerとしてA seh One StudioからMI-I氏の2曲リリース。

デジタルの世界ではデ-ター配信ですぐにリリース出来るのですが

手塩にかけた作品はやはり大好きなVinyl=レコードでと

時間をかけて選び抜いたヨーロッパでプレス。

P1000417.gif  P1000420.gif

P1000414.gif  P1000416.gif

セレクター業として一番大事にしてきたのがレコード。

音楽に出会えてサウンドシステムを作ったりスタジオを作ったり、

ジャマイカ、NYに何回も足を運べたのもレコードのおかげ。

時代に反してでもリリースするのはそのありがたみと感謝の気持ち。

これからもレコードに刻まれた音や思いは何十年と色褪せないことでしょう。

- SAVE THE VINYL -

DOO

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